ラブロード、それは愛の道、いや、石匠の道

予告どおり、ロード第二章。今回は愛の道について。

桜川市でロードというと、まずりんりんロードを思い浮かべる人が多いと思うのですが、もう一つ忘れちゃいけないロードがあります。
それが愛の道(笑)、つまり、ラブロードです。

一瞬、怪しい路地裏の飲み屋街の名称だと勘違いされた方もいらっしゃるでしょう。ですが、実際のラブロードがあるのは裏通りどころか、桜川市の一番の表通り、すなわちメインストリートなのです。
ここまで言えばわかりますよね。
はい。国道50号です。

ラブロードの正式名称は「ラブロード50 石匠の道」といいます。
通常は「石匠の道」という人の方が多いでしょうね。
逆に、ラブロードなんて呼んでいるのはきっと私だけかもしれません(笑)。
でも無性に想像力を掻き立てられるこのラブロードという愛くるしいネーミングが私の耳にこびり付いて離れないんです。
よって今回はラブロードで押し切ります(笑)。

ところでラブロードの特徴ですが、国道50号にわざわざ別称がついているのには理由がありまして、石匠の道という名前にあらわれているように、石でできた彫刻作品が道端に展示されています。

作品数は全部で14点。
しかも、ただのオブジェではありません。
展示されているのは石をテーマにしたコンクールで優秀作品に選ばれたものだけです。

今回はこの14点の中から私が個人的に気になったものを4つほど紹介してみたいと思います。

各作品の説明については桜川市岩瀬商工会のホームページをご覧ください。

【道くさ】

まずはこの作品。道端に少年が座り込んでかたつむりを眺めているというものです。少年の何ともいえない表情が印象的です。冷静に見るとかたつむりは一般的にはありえない大きさですね。でもこれは架空のかたつむりを出現させたわけではなくて、少年にとってはかたつむりがそれほどの大きさに見えるくらい、時間を忘れて魅入っているというあらわれなんですよ。私の勝手な解釈に過ぎませんけどね(苦笑)。
でもアートってそれでいいんじゃないかと思っています。作者の視点や思いももちろん大切ですが、見る人の自由な解釈がある程度許容されるようにならないと、アートはいつまでたっても難解で敷居の高いものという認識しかされないと思うんですね。
というわけで、今回は勝手な解釈で突っ走ります(笑)。

【ポコ・ポコ・ポコ】


これはとってもわかりやすい作品ですね。作品によっては形とタイトルがなかなか結びつかないものもあるのですが、これはイメージがぴったり一致します。
石というと、どこか冷たい印象がありますが、これは石の形も作品のタイトルも人にやさしい親しみやすい感じがしてよいですね。

【ラブストーン】



やはりラブロードと銘打ったからにはラブを感じさせる作品もほしいですよね。こちらは唯一実用性のある、つまり実際に使える作品というのがポイントです。
何に使うのかというと、それはもう「愛を語り合う」ときに決まっています。
2つ並んだ石は中がくり抜かれ、椅子のようになっており、カップルがそれぞれの石に座ると、2人だけの閉ざされた空間に早変わりするのです。
ぜひ若いカップルが愛を語り合っている姿を見てみたいものですね。
もっというなら、桜川市民にはこのラブストーンでプロポーズしてほしいです。

あと、私だったらこのラブストーンで愛を告白すると2人は結ばれるとかそういう噂を流布しちゃいますね(笑)。
まあそれは冗談としても、この石はもっとうまく活用できますって!
著作権等の絡みが出てくるかもしれませんが、この初代ラブストーンをモチーフにして、市内のいろんなところにラブストーンを置いてみたいですね。
またはラブストーンが点在するラブパークなんてどうですか。
ラブラブデートマップなんていうのも作ったりして。
桜川市という名前自体ロマンチックな響きがありますし、若者を呼び込むようなラブリーなアイデアをどんどん出していくことで若者が集まってくれば、少子高齢化対策にも一役買えるかもしれませんよ。

【MOKKORI―もっこり―】


最後は我らが巨匠、「今日の浅賀さん」でおなじみの浅賀正治さんの作品です。タイトルはなんと「もっこり」。たしかにもっこりしてます。
さすがラブロード、ラブストーンの次には「もっこり」ときたかぁ!なんて感心しているそこのあなた。別にラブストーンともっこりに関連性はありませんからね(苦笑)。
まあ、全作品中もっとも強烈なインパクトを放っていることは間違いありませんね。
作者の浅賀さんいわく「見た人が触れたくなるような単純明快な形を目指した」そうです。
そういうわけで、ラブストーンに座った後はぜひ「もっこり」に触れてみましょう。もっこり部分に触れていると、実は石がもこもこっと動くとか動かないとか・・・いや、もちろん動きませんってば(笑)

以上、4作品の紹介をしてまいりましたが、このままではちょっともったいないなというのが私の正直な感想です。
といいますのも、桜川市というのは日本最大の石材のまちで、石の彫刻作品もたくさん点在しているのに、市民からはそれほど意識されるようなものになっていないと思えるからです。

あまりにも当たり前にあるから市民にとっては空気のようで今さら意識されないものになっていると言われればそれまでかもしれません。
でもきっとよそから来た方にしてみれば大和地区の畑の片隅にでっかい石がごろんと横たわっている光景はちょっと異様というか異質な世界に感じられることだと思うんですね。
自然に転がっているにしては場所が場所だし、形だってどう見ても人の手が加えられたものにしか見えないはずです。
ただ、あまりにも普通に置いてあるので、失敗作を放置したものなのか、意図的に見せているのか判断がつかないんですね。

きっとラブロード50も何も知らない人にとっては岩瀬で50号が片側2車線になってうれしいね!という感覚が普通だと思います。
実際私も笠間方面から岩瀬にくるときはかなり混んでいるのに、岩瀬に入ると車線が増えてスムーズに走れるようになるので、ラブロードって速く走れていいなぁくらいにしか思っていませんでした。

でも実はラブロードのウリというのは片側2車線の走りやすい自動車道にあるわけではなく、そっちは本当は脇役だったんですね。
本当の主役は歩道に展示された彫刻作品です。ラブロードの説明看板にも「通るだけの道路」でなく「うるおい」や「ゆとり」などを取り入れた道づくりを目的としていることが書かれています。

しかしながら、当初のコンセプトとは裏腹に、歩道を歩いている人はほぼ皆無というのが現状です。試しに休みの日の昼間に歩いてみましたが、歩行者は私の他、岩瀬駅に向かう高校生が数人という状況でした。
車社会茨城ではコンビニに行くのも車ですから、日常生活の中で歩道を歩くというのはむしろあまり馴染みのない行為なんですね。それが、国道50号ならなおさらです。ただでさえ快適に走れる50号をなんでわざわざ歩かなければいけないのか疑問に思う人の方が多いでしょう。

このようにラブロードの理想と現実は思った以上にギャップがあり、せっかく彫刻があるんだから歩きましょう!なんていうのは現実にそぐうものではありません。でもそれはそれで仕方のないことだと思います。
そこで、私が提案したいのは「興味を持ってくれる人にはもっと門戸を広げませんか」ということです。
なかなか興味の持てない人に向かって、無理やり意識改革を迫るようなやり方ではなく、アートや彫刻、または石そのものに興味がある人が知りたい、見てみたいと思ったときにスムーズに情報を入手できるようにしておくことに重点を置いてはどうかと思うわけです。

ちょっと表現がわかりにくいでしょうか。具体的にいいますと、例えば、「さっき車で通った道端に彫刻作品らしきものがあって、気になったんだけど、あれは誰の何という作品なんだろう?」とか「他のものも全部見て周りたいけど、どこにどんなものがあるんだろう?」と思った人に対して、ここにあらゆる情報がありますからどうぞご覧くださいといえるようなものを作っておくといいと思いませんか?

じゃあ、それを誰がどうやって作るかですね。市が観光パンフレットを作るとか、まちづくり団体が観光ボランティアを育成するとか、それはそれで必要なことだと思いますが、発信する側も見る側ももっと手軽に利用できるものがありますよね。
そうです。この「いっつ・あ・さくらがわーるど」をそういう「使える」サイトにしていきたいですよね。
というわけで、どなたか桜川市内にある石の彫刻作品の紹介ページを作ってください。
提案だけしておいて、最後は丸投げする青木でした(苦笑)。

したっけ!


コメント
■2008/06/04 @ 18時22分46秒
now fountain ( / ) (IP: 210.148.86.3)
青木さん,いつもありがとうございます。

ところで,「わざわざ歩く人なんかいねー」とお嘆きのようですが,実はドライブスルーのごとく,車に乗ったままゆっくり鑑賞できるのはご存じですか?

写真に写っている路面の黄色い部分は「歩道」なんですが,すぐ脇に赤い舗装のしてある側道のような蛇行した「車道」があって,そこを通れば車窓からゆっくり見られますヨ。

ていうか,実はよく子供に「ペンギンさんがみたい~」などとせがまれて,わざわざ通っております(時速20km以下で)。

50号を笠間方面に向かって,ココス交差点の県信側に,すぐ左に入る赤い舗装道があります。彩菜さんの交差点でいったん本線に出て,またすぐに左に入って,最後はケーズデンキのところに出ます。

案外,この車道は知られていないかも。。。
桜川市に来た時には,是非お試し下さい。

■2008/06/04 @ 18時46分15秒
aoki ( / http://www.ibaraking.com/ ) (IP: 61.204.149.69)
たしかに違う色の舗装がしてありましたが、そういう目的だったのですか!
50号から各店舗に入るための道にしては凝った作りをしているなと思っていました。側道感覚で走れるのですねぇ。

■2008/06/05 @ 09時04分55秒
ぱくぱく ( / ) (IP: 219.102.97.23)
ラブストーンを観光資源化するためには、まずフィルムコミッションを活用して、月9ドラマあたりのプロポーズシーンに使ってもらうってのがいいですね。

韓国の並木道みたいにツアーを組んでお客さんが着ますよ~。

■2008/06/05 @ 19時06分57秒
ribon ( / ) (IP: 218.218.139.125)
ポコポコもっこり、ラブストーン♪

と続けると、こんなにたのしいタイトルになるんですね。

ポエムを感じずにはいられません。

■2008/06/05 @ 19時19分56秒
aoki ( / http://www.ibaraking.com/ ) (IP: 61.204.149.69)
おぉー!ribonさん、詩人ですねぇ。
「ポコポコラブストーンもっこり」だとなんか微妙ですもんね。きっとその順番がベストです。
超ラブリ~♪

■ 2008/06/08 @ 15時30分04秒
Anonymous ( / ) (IP: 219.44.44.25)
ラブロード『石匠の道』の彫刻たちをGWに見にいきました
“もっこり”さん見ましたヨ

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